燃落もえおち)” の例文
すまし窺ふに聲は聞えねども足摺あしずりして苦しむ樣子の一しほ始めに彌増いやましければ何共合點がてん行ず心成ずもそつと立上り襖の透間より差覗さしのぞくに納戸の中には灯りもなく小さき火鉢に蚊遣かやり仕掛しかけ有しが燃落もえおちて薄暗き側に聢とは見えねども細引にて縛られたる一人の女居たり友次郎ははつと思ひ能々見るに此は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)