煙草畑たばこばたけ)” の例文
たび途中とちゅうで、煙草畑たばこばたけに葉をつんでいる少女にった。少女はついこのあいだ、おどしだにからさとへ帰ってきた胡蝶陣こちょうじんのなかのひとり。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
洪水でみずには荒れても、稲葉いなばの色、青菜の影ばかりはあろうと思うのに、あの勝山かつやまとは、まるで方角が違うものを、右も左も、泥の乾いた煙草畑たばこばたけで、あえぐ息さえ舌にからい。
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)