無鉄砲むてっぽう)” の例文
旧字:無鐵砲
親譲おやゆずりの無鉄砲むてっぽうで小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほどこしかした事がある。なぜそんな無闇むやみをしたと聞く人があるかも知れぬ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それだのにまだおまえはすきさえありゃあ無鉄砲むてっぽうなことをしようとお思いのかエ。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この複雑きわまるプログラムのうちから、義眼を入れたレビュー・ガールの名前を探し出すなんて、如何に無鉄砲むてっぽうなことだか、そのプログラムのおもてを一と目見ただけで充分に知れることだった。
間諜座事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
だがそれならば無鉄砲むてっぽう浪費家ろうひかであったかと云うのに
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
おれみたような無鉄砲むてっぽうなものをつらまえて、生徒の模範もはんになれの、一校の師表しひょうあおがれなくてはいかんの、学問以外に個人の徳化をおよぼさなくては教育者になれないの、と無暗に法外な注文をする。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)