トップ
>
渡頭
>
ととう
ふりがな文庫
“
渡頭
(
ととう
)” の例文
少し行くと、原釜の此方に展げられてゐた入江がそれと指さして見えたけれども、その
渡頭
(
ととう
)
まではまだかなりに遠い距離があるらしかつた。
旅から帰つて
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
紐育
(
ニューヨーク
)
にては稀に夕立ふることあり。盛夏の
一夕
(
いっせき
)
われハドソン河上の緑蔭を歩みし時驟雨を
渡頭
(
ととう
)
の船に避けしことあり。
夕立
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
寝覚の里の
渡頭
(
ととう
)
の高燈籠の下まで来て、そこに立ってつくづくと海を眺めたお銀様の眼には怒りがありました。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
で、其月十七日になつて兵を集めて、
大方郷
(
おほかたがう
)
堀越の渡に陣を構へ、敵を
禦
(
ふせ
)
がうとした。大方郷は豊田郡大房村の地で、堀越は今水路が変つて
渡頭
(
ととう
)
では無いが堀籠村といふところである。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
大抵
(
たいてい
)
の
嘘
(
うそ
)
は
渡頭
(
ととう
)
の舟である。あるから乗る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
その翌日、白雲は漫然と結束して宿を立ち出でると、早くも北上川の
渡頭
(
ととう
)
の上の小高いところに立って、北上川の北より
来
(
きた
)
って東南にのぼり流るる勢いに眼を拭いました。
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
渡頭
(
ととう
)
人稀ニ白鷺
雙々
(
そうそう
)
、舟ヲ
掠
(
かす
)
メテ飛ビ、楼外花尽キ、
黄鸝
(
こうり
)
悄々
(
しょうしょう
)
、柳ヲ
穿
(
うが
)
ツテ啼ク。
籊々
(
てきてき
)
ノ竿、漁翁雨ニ釣リ、
井々
(
せいせい
)
ノ田、村女烟ニ鋤ス。
一檐
(
いちえん
)
ノ彩錦斜陽ニ映ズルハ
槖駝
(
たくだ
)
ノ
芍薬
(
しゃくやく
)
ヲ売ルナリ。
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
熱田を七里の渡しの
渡頭
(
ととう
)
まで行って、更に引返して、
呼続
(
よびつぎ
)
ヶ
浜
(
はま
)
、
裁断橋
(
さいだんばし
)
——それから、まっしぐらに、
古鳴海
(
こなるみ
)
を突破して、ついに、ここまで落着いたのだから、前後左右を忘れるほどに疲れきって
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
渡
常用漢字
中学
部首:⽔
12画
頭
常用漢字
小2
部首:⾴
16画
“渡頭”で始まる語句
渡頭守