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清浄身
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しょうじょうしん
三十一歳までの
清浄身を、
擲って、現在の僧侶にいわせれば、
汚濁の海、罪業の谷ともいうであろう、
蓄妻噉肉の
徒になろうという意志を固めているのだ。
(古松は
般若を談じ、幽鳥は
真如を
弄ぶ)とあるも、「渓声便是広長舌、山色豈非
二清浄身
一。」(渓声すなわちこれ
広長舌、山色あに
清浄身にあらざらんや)
余の儀ではございませぬが、上人はもとより、
持律戒行の
清浄身におわすし、また、八十有余の
御弟子たちも、みな、おごそかに
戒を守っている浄行の御出家のみと存じますが。
だが、やがて生活を
蝕んでくる毒を
呷っているに等しい。
清浄身の
沙門からみれば、むしろ、あわれなのはああした
儚い夢の中に生きがいを
焦心っている多くの男や女たちではあるまいか。