清浄身しょうじょうしん)” の例文
三十一歳までの清浄身しょうじょうしんを、なげうって、現在の僧侶にいわせれば、汚濁おじょくの海、罪業の谷ともいうであろう、蓄妻ちくさい噉肉たんにくやからになろうという意志を固めているのだ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(古松は般若はんにゃを談じ、幽鳥は真如しんにょもてあそぶ)とあるも、「渓声便是広長舌、山色豈非清浄身。」(渓声すなわちこれ広長舌こうちょうぜつ、山色あに清浄身しょうじょうしんにあらざらんや)
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
余の儀ではございませぬが、上人はもとより、持律戒行じりつかいぎょう清浄身しょうじょうしんにおわすし、また、八十有余の御弟子みでしたちも、みな、おごそかにかいを守っている浄行の御出家のみと存じますが。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だが、やがて生活をむしばんでくる毒をあおっているに等しい。清浄身しょうじょうしん沙門しゃもんからみれば、むしろ、あわれなのはああしたはかない夢の中に生きがいを焦心あせっている多くの男や女たちではあるまいか。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)