清水堂きよみずどう)” の例文
山の上では今常磐ときわ花壇のある所は日吉ひえ山王の社で総彫り物総金の立派なお宮が建っていました。その前のがけの上が清水堂きよみずどう、左に鐘楼堂。
浅草観音堂とその境内けいだいに立つ銀杏いちょうの老樹、上野の清水堂きよみずどうと春の桜秋の紅葉もみじの対照もまた日本固有の植物と建築との調和を示す一例である。
京都大学のN博士と連れ立って上野うえの清水堂きよみずどうの近くを歩いていたら、堂のわきにあるあの大木の銀杏いちょうが、突然にいっせいの落葉を始めて、約一分ぐらいの間
藤の実 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
まして片隅に寄ったこの清水堂きよみずどうのあたりは、昼間はともあれ、秋の薄い日があわただしく暮れて、京の町々の灯がまばらに薄黄色く見おろされる頃になると
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)