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消去
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きえさ
ふりがな文庫
“
消去
(
きえさ
)” の例文
避けていられるだけ、それだけ、私は先生の心の底にあなたの事がまだ真実
消去
(
きえさ
)
らずにいるものと推察するのです。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
君が家庭の事情を幸いに、一
言
(
ごん
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
もなく、逃げる様に私の前から
消去
(
きえさ
)
った時、私は数日、飯も食わないで書斎に坐り通していた。そして、私は復讐を誓ったのだ。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
完成を
味
(
あじわ
)
ひつつ
消去
(
きえさ
)
るよりほかはあるまい。
雪
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
月日の過ぎゆくうちにいつともなく一ツ一ツ
消去
(
きえさ
)
って、ついに二度とふたたび見ることも聞くこともできないということが、はっきり意識せられる時が来る。
虫の声
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
だが、一方では、日本の警察力がまる二ヶ月かかっても、あの有名な小説家を探し出すことが出来ず、
彼奴
(
あいつ
)
は
煙
(
けむ
)
みたいに完全に
消去
(
きえさ
)
ってしまったのだ。アア、僕はそれを考えるさえ恐ろしい。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
立って
便所
(
はばかり
)
へ行く時も或は二階の
蚊帳
(
かや
)
へ
這入
(
はい
)
ってからは猶更、慶三の目の前からは一瞬間たりとも残る隈なく電燈の光に照し出されたお千代の真白なぽっちりした裸形の
消去
(
きえさ
)
る
暇
(
いとま
)
がない。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
これでよし、気の毒ながら菰田源三郎は、俺の身替りになって、永久にこの世から
消去
(
きえさ
)
って了ったのだ。そして、ここにいる俺は、今こそ本当の菰田源三郎になり切ることが出来た。人見廣介は、最早どこを
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
気味悪い狐の事は、下女はじめ
一家中
(
いっかちゅう
)
の空想から
消去
(
きえさ
)
って、
夜
(
よる
)
晩
(
おそ
)
く行く人の足音に、消魂しく吠え出す飼犬の声もなく、木枯の風が庭の
大樹
(
だいじゅ
)
をゆする響に、
伝通院
(
でんつういん
)
の鐘の音はかすれて遠く聞える。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“消去”の意味
《名詞》
消 去(しょうきょ)
記述されている文字などを消すこと、消し去ること。
(出典:Wiktionary)
消
常用漢字
小3
部首:⽔
10画
去
常用漢字
小3
部首:⼛
5画
“消去”で始まる語句
消去法