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泌
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にじ
ふりがな文庫
“
泌
(
にじ
)” の例文
これは常々兵隊の身を案じ続けていられる心遣いが私のような者の上にも
泌
(
にじ
)
みでるように出たお言葉であろうと胸に響くものがあった。
中支遊記
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
雪こそ降つてゐませんでしたが、湿つた夜の黒い空は私の窓の前迄
泌
(
にじ
)
みよせて居りました。まるで私は湖の底に坐つてゐるやうに思はれました。
嘆きの孔雀
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
光川左門太の
懊悩
(
おうのう
)
は、見る目も気の毒でした。平次はガラッ八に合図をして、そっと往来に飛出すと、額に
泌
(
にじ
)
む汗を拭いて、ホッと溜息を吐きます。
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その小さいことを透して大きな主観が
泌
(
にじ
)
み出るということは、作家の技倆に
依
(
よ
)
る。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
しかしながら蕪村の場合は、侘びが生活の中から
泌
(
にじ
)
み出し、
葱
(
ねぎ
)
の煮える
臭
(
にお
)
いのように、人里恋しい情緒の中に
浸
(
し
)
み出している。なおこの「侘び」について、巻尾に詳しく説くであろう。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
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堀尾君は憤慨が込み上げて、額に玉の汗が
泌
(
にじ
)
んだ。
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
襟
(
えり
)
のあたりは巧みに茶袋で隠してありますが、それを取除くと、たった一と眼で判る紐の跡が、凄まじい黒血を
泌
(
にじ
)
ませて顎の下へ大きな溝になっているではありませんか。
銭形平次捕物控:094 死相の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
寢起らしい不活發なところの微塵もない、爽やかな表情のうちにも、愛兒を
喪
(
うしな
)
つた悲痛な隈があつて、
﨟
(
らふ
)
たきばかりの美しさに、
泌
(
にじ
)
み出る自然の愛嬌も世の常ではありません。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
泌
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
“泌”を含む語句
泌々
分泌
分泌物
内分泌腺
劉泌
泌尿科
湄泌河
皮膚泌尿科