“汁椀”の読み方と例文
読み方割合
しるわん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その膳の汁椀しるわんそばに、名刺が一枚載せてある。大石はちょいと手に取って名前を読んで、黙って女中の顔を見た。女中はこう云った。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
亭主は食べおわった茶碗に湯を注ぎ、それを汁椀しるわんにあけて飲み尽し、やがて箱膳はこぜんの中から布巾ふきんを取出して、茶碗もはしも自分でいて納めた。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
諸君と共に二列に差向って、ぜんに就く。大きな黒塗の椀にうずたかく飯を盛ってある。汁椀しるわんは豆腐と茄子なす油揚あぶらあげのつゆで、向うに沢庵たくあんが二切つけてある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)