水垢離みづごり)” の例文
「お勝手の障子を閉めますので、水垢離みづごりのときは、其處の雨戸を開けたまゝにして置きます。ガタピシして、お内儀さんが眼をさましますので——」
願ふか兩樣の内何共いづれとも決心けつしん致さるべしとのおもむきを申つかはしたるに此方こなたは越前守は公用人こうようにん次右衞門三五郎の紀州表へ出立しゆつたつせし其日より夜終よもすがら行衣ぎやういを着し新菰あらごもの上にて水垢離みづごりとり諸天しよてん善神ぜんしん祈誓きせい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「飛んでもない、あの人は神樣か佛樣のやうな心掛の人でございます。此間から水垢離みづごりまで取つてお母さんの病氣が直るやうにと、願を掛けて居るのです」
「私の粗相そさうでございました。明日の節分で滿願だと思ひましたので、井戸端へ出て水垢離みづごりを取つて居りました。うつかり裏口を開けて出たのが惡う御座いました」
「十八や十九の滅法めつぽふ可愛らしいのが、寢卷で井戸へ飛び込むのも色氣がなさ過ぎるし、あやまちにしても、水垢離みづごりを取りやしめえし、若い娘が、夜中に井戸端へ行くのも變ぢやありませんか」
お神さんがわづらつた時は觀音樣へ曉方のお百度詣りをしたとか、寒中に水垢離みづごりを取つたといふ話もありましたが、それほどの信心でも定命ぢやうみやうに勝てなかつたものか、お神さんは二年前に亡くなりました
水垢離みづごりを使はせてやる、驚くな」