気難きむずか)” の例文
厭々いやいやであったが、持物といっては金属性の球だけをポケットにして、饒舌おしゃべりなAや気難きむずかし屋なBと共々打ち連れて、先ず都をして旅にのぼった。
吊籠と月光と (新字新仮名) / 牧野信一(著)
とはいえ勿論、山といえばけんがある。谷がある。信長の気難きむずかしさや、測り知れない豹変ひょうへんや、癇癖かんぺきや我儘や、ずいぶん人間的な短所は官兵衛も承知である。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此の邸宅が現わす感じのように典型的の英国人であるガルスワーシーは一見気難きむずかしやのようで実は如才ない苦労人だということがつき合って行くうちに判って来る。
ガルスワーシーの家 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
信長の、いわゆる「お気難きむずかしい」性質は、万々承知だが、それにしても
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)