残滓ざんさい)” の例文
旧字:殘滓
いにしえのパリーにおいては、下水道の中にあらゆる疲憊ひはいとあらゆる企図とが落ち合っていた。社会経済学はそこに一つの残滓ざんさいを見、社会哲学はそこに一つの糟粕そうはくを見る。
彼の行動を批判する彼自身のめたい正義観念もまざっていたが、要するにそんなような種々雑多な印象や記憶の断片や残滓ざんさいが、早くも考え疲れに疲れた彼の頭の中で、かしになったり
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いかなる海鳥糞かいちょうふんも、その肥沃ひよくさにおいては都市の残滓ざんさいに比すべくもない。大都市は排泄物はいせつぶつを作るに最も偉大なものである。都市を用いて平野をこやすならば、確かに成功をもたらすだろう。