歯軋はぎしり)” の例文
旧字:齒軋
と法外な雑言ぞうごんを申しますから、恒太郎がこらえかねて拳骨を固めて立かゝろうと致しますを、清兵衛がにらみつけましたから、歯軋はぎしりをしてひかえて居ります。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それから、右の足の甲で、左の上をこすって、左の足の甲で右の上を擦って、これでもかと歯軋はぎしりをした。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私にはしばらく前から睡眠中にギリギリ歯軋はぎしりを噛むいやな癖がついてしまっていた。私こそ神経衰弱かも知れなかった。私は鳴尾君のことを「贋牧師」と呼んだりした。
西隣塾記 (新字新仮名) / 小山清(著)
周囲まわりいびき歯軋はぎしりの音ばかりで、いずれも昼の疲れに寝汚いぎたなく睡りこんでいる。町を放れた場末の夜はひっそりとして、車一つ通らぬ。ただ海の鳴る音が宵に聞いたよりももの凄く聞える。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)