武蔵たけぞう)” の例文
旧字:武藏
もっとも、弟の武蔵たけぞうが近郷きっての暴れんぼで、本位田村ほんいでんむらの又八か宮本村の武蔵かと、少年時代から悪太郎あくたろうの手本にされているので
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かりそめにも、約束の言葉をつがえた以上は、それを捨てて忘れてゆく気もちにはなれない武蔵たけぞうであった。武蔵は、待ちしびれた。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今、武蔵たけぞうさんから聞けば、朱実も江戸へ行ったらしい。わたし達も、何とか、人中へ出る算段をして、もう少し人間らしい暮しを
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「見たか、権叔父、大したものじゃわ。小さい頃から、あの武蔵たけぞうなどより、ぐんと賢く、腕も出来ていただけのことはある」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その雨は、武蔵たけぞうの顔にも、そばの死骸にも、ばしゃばしゃと落ちた。武蔵は、鯉のように口を開いて、鼻ばしらから垂れる雨を舌へ吸いこんだ。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この婆や権叔父が、故郷くにを出て、こうして諸国をあるいている意気地が。——息子の嫁を奪って逃げた武蔵たけぞう、本位田家に後足で砂をかけてせたお通。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おい武蔵たけぞうっ。いや武蔵どの。……頼むから、お通をもらってやってくれ。お通を救ってやるものはおぬししかないぞ。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その後また、よく洛内らくないの侍たちの間で噂にのぼる宮本武蔵なる新進の剣士が、むかし友達の「武蔵たけぞう」であることを知ると、又八はじっとしていられなかった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「申しおくれました。おたずねの通り、拙者は宮本村の無二斎のせがれ、幼名武蔵たけぞうと申した者にござりますが。……どうしてまた、郷里の方々が、かくお揃いで此処にはおいでなされましたか」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうしましょうかね。武蔵たけぞうさん、暗いから気をつけて来てください」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「じゃあ、城太郎さん、あんたは何日いつ武蔵たけぞうさんと一緒にいるのね」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あっ、おまえは? ……。オオ武蔵たけぞうさんじゃないか」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、武蔵たけぞうの名を、彼は、恨みの胸へ、彫りつけていた。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武蔵むさしとは、武蔵たけぞうと書くのでございましょうな」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あ……それじゃあ、武蔵たけぞうというんじゃないの」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幼名は 弁之助べんのすけ。また、武蔵たけぞう
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)