“武蔵野館”の読み方と例文
読み方割合
むさしのかん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
常設館はいくつもあったがみんな小さなものでわずかの観客しかれなかったように覚えている。邦楽座ほうがくざ武蔵野館むさしのかんのようなものはどこにもなかったようである。
映画時代 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
それとも時には創作慾の刺戟しげきを求めにシネマ・パレイスや武蔵野館むさしのかんへ行くとか、蓄音器を聞きながら、お茶をみに喫茶店へ入ったりして感興をそそとうとしているのか。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
学校の帰り、武蔵野館むさしのかんに寄って、「罪と罰」を見て来た。伴奏の音楽が、とてもよかった。眼をつぶって、音楽だけを聞いていたら、涙がにじみ出て来た。僕は、堕落したいと思った。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)