そのうちに比叡山ひえいざん西塔さいとう武蔵坊むさしぼうというおてらぼうさんがくなりますと、弁慶べんけい勝手かってにそこにはいりこんで、西塔さいとう武蔵坊弁慶むさしぼうべんけいのりました。
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
今は知識競争の時代である。如何いか武蔵坊弁慶むさしぼうべんけい加藤清正かとうきよまさのような豪傑でも、智慧がなければ子供にやられる。智慧を仕入れるのが必要である。
吾人の文明運動 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
十一時の休憩時間に小使いの関さんが武蔵坊弁慶むさしぼうべんけいのような格好かっこうをしてはいってくる。兵隊あがりの名物男だ。石炭を持っている時はことに評判がいい。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
むかし、武蔵坊弁慶むさしぼうべんけいという豪傑ごうけつは、あらゆるいくさの道具を、すっかり背中にせおって歩いたのだそうですが、それを、「弁慶の七つ道具」といって、今に語りつたえられています。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「どうりでただの人ではないとおもいました。わたしは武蔵坊弁慶むさしぼうべんけいというものです。あなたのようなりっぱな御主人ごしゅじんてば、わたしも本望ほんもうです。」
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)