次室つぎ)” の例文
膝にからんだもすそが落ちて、蹌踉よろめく袖が、はらりと、茶棚のわきふすまに当った。肩を引いて、胸をらして、おっくらしく、身体からだで開けるようにして、次室つぎへ入る。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あたしお次室つぎに坐っていると、書生部屋で二人が大声でいい争っているのがよく聞こえるのでしょう。
ニッケルの文鎮 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
「月輪の老公が、お見え遊ばされました」と、次室つぎから知らせた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)