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がくじん
ピータ
樂人さん、おゝ、
樂人さん、「
心の
慰め、
心の
慰め」。
乃公を
陽氣にさせてくれる
氣なら、
頼む、
聽かせてくれ、
例の「
心の
慰め」を。
ピータ はて、
樂人さん、
何故と
言うて、
今、
乃公の
心の
中では「
予の
心は
悲哀に……」が
始まってゐる
最中ぢゃ。
ピータ ほい、
眞平御免なれぢゃ。
足下は
唄方であったものを。
乃公が
代って
言はう。そも/\「
音樂の
銀の
調」と
謂っぱ、はて、とかく
樂人は金貨には
能うありつかぬからぢゃ。