“棹(さおさ)” の例文
と言いかけて吻(ほ)と小さなといき、人質のかの杖(ステッキ)を、斜めに両手で膝へ取った。情(なさけ)の海に棹(さおさ)す姿。思わず腕組をして熟(じっ)と見る。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と云って絹の袷を着て、腰に手拭をはさみ、その上に綿入の羽織をきて船頭一人を連れ小舟に棹(さおさ)して出ていった。
巌流島 (新字新仮名) / 直木三十五(著)