森中もりなか)” の例文
夜陰やいん森中もりなかに、鬼火おにびの燃えるかなえの中に熱湯ねっとうをたぎらせて、宗盛むねもりに似せてつくったわら人形をました。悪僧らはあらゆる悪鬼の名を呼んで、咒文じゅもんを唱えつつかなえのまわりをまわりました。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
空気は上野の森中もりなかよりも、一層湿気多く沈んでいる。
曇天 (新字新仮名) / 永井荷風(著)