棚下たなおろ)” の例文
この狸はうちの者の見ぬには、下手な字で障子襖に皆の棚下たなおろしをする。「誰こわくない」「誰少しこわい」といつたやうな調子で。
寄席よせ高座こうざにのぼる江戸風軽口の話口はなしくちをきくと、大概みんな自分の顔の棚下たなおろしや、出来そくなった生れつきのこきおろしをやる。
木莵入ずくにゅうは頭の上へ手を置いてしまったが、大分こたえたと見えて、金公の棚下たなおろしも出なくなって唸り出すと、今度は金公が首を突き出して
と尚お主人の棚下たなおろしが少時しばらく続いた後
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)