桂冠けいかん)” の例文
これをしも社会が渠等かれらに与うるに無形の桂冠けいかんをもってするしかき慈善事業というべきか、と皮肉なことはいいっこなし。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仮令たとい馨子凱歌の中に光栄の桂冠けいかんいただくを得ざりしにせよ、彼女の生はその畢生ひっせいの高貴なるほのおのあらん限を尽して戦い、戦の途上戦い死せる光栄ある戦死者の生也。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
文麻呂 こんな素晴しい神秘の境で、きらめく恋の桂冠けいかんを獲得しようと云う君は全く幸福だ。また、同時に同じ場所で父の仇敵を思いのままにはずかしめてやれると云うこの僕も幸運だ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
桂冠けいかん詩人よ。」
吊籠と月光と (新字新仮名) / 牧野信一(著)