柳絮りうじよ)” の例文
柳絮りうじよ雪の如しとか、柳絮満天に飛ぶとかよく言つてゐるが、それを眼にしない中は、私は例の支那人の誇張癖とばかり思つてゐたのである。
花二三ヶ所 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
うそさぶしとひしも二日ふつか三日みつか朝來あさよりもよほす薄墨色うすずみいろ空模樣そらもやう頭痛づつうもちの天氣豫報てんきよはう相違さうゐなく西北にしきたかぜゆふぐれかけて鵞毛がもう柳絮りうじよかはやちら/\とでぬ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此月蘭軒に柳絮りうじよの七絶五首がある。丸山の家にはたゞに桜を栽ゑたのみではなく、又柳を栽ゑた。柳は文政五年に栽ゑたのである。「小園栽柳六年過。未有飛綿今歳多。」又。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
砂まじり蒙古の風の吹く街に落ちつかぬかな我も柳絮りうじよ
わが車柳絮りうじよと共に金州の南門に入り東門に出づ