林檎畠りんごばたけ)” の例文
半月ばかりたつたのち是等これらの紙袋は点々と林檎畠りんごばたけの葉かげにかかり出した。それからもう何日になることであらう。
詩集 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
昨夜なぞは、林檎畠りんごばたけのようなところへ追詰められて、樹と樹の間へ私の身体がはさまって、どうにも逃げ場を失って了った……もうすこしで其奴そいつに捕まるかしらん……と思ったら目がめました。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
奥様の御話に、その晩の夢というのは、こう林檎畠りんごばたけのような処で旦那様が静かに御歩きなすっていらっしゃると、そっと影のように御傍へ寄った者があって、何か耳語みみこすりをして申上げたそうです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
お雪は温泉場の前にひらけた林檎畠りんごばたけ、青々と続いた田、谷の向に見える村落、それから山々の眺望の好かったことなどを、妹と語り合って、復た洗濯物を取込むやら、夕飯の仕度に掛るやらした。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
林檎畠りんごばたけが見える。千曲川はその向を流れている。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)