枕草子まくらのそうし)” の例文
枕草子まくらのそうし』には「みのむし、いとあはれなり」と記し、『宇津保うつほ物語』には「みのむしのやうにて、むくめき参らん」などと書いてある。
蓑のこと (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
源氏物語げんじものがたり』の類の物語、『枕草子まくらのそうし』の類の草紙になりましてもやはり景色を諷った部分がたくさんにあるようであります。
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
『源氏物語』、『枕草子まくらのそうし』以下漢語を用ゐたる物を排斥致し候はば、日本文学はいくばくか残り候べき。
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
枕草子まくらのそうし』には宮中の人たちが、隠れて女を打とうとしたことが面白く書いてあるが、無論こういう行事はたわむれになりやすく、小児はまた決していたずらがきらいではない。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
源氏物語や枕草子まくらのそうしなどをひもといてみてもその中には「日本」のあらゆる相貌そうぼうを指摘する際に参考すべき一種の目録書きが包蔵されている事を認めることができるであろう。
日本人の自然観 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
『源氏物語』『枕草子まくらのそうし』以下漢語を用いたるものを排斥致し候わば日本文学はいくばくか残り候べき。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
たとえば万葉や古事記の歌でも源氏や枕草子まくらのそうしのような読み物でも
俳句の精神 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
真中に鈴白すずしろの札立てたるは葉五、六寸ばかりの赤蕪あかかぶらにてくれないの根を半ば土の上にあらはしたるさまことにきはだちて目もさめなん心地する。『源語げんご』『枕草子まくらのそうし』などにもあるべきおもむきなりかし。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)