こち)” の例文
この辺では穏やかでないこち寄りの南風はえが数日来、絶え間なしに吹いているところで、追手の風でも余程自信のある船頭でないと船を出せるものでないことが商売柄千六にはよくわかっていた。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)