“来診”の読み方と例文
旧字:來診
読み方割合
らいしん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
慎太郎は父や義兄と一しょに、博士に来診らいしんの礼を述べた。が、そのあいだも失望の色が彼自身の顔には歴々と現れている事を意識していた。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
常子は夫を見つめたまま、ふるえる声に山井博士の来診らいしんを請うことをすすめ出した。しかし彼は熱心に細引を脚へからげながら、どうしてもその勧めに従わない。
馬の脚 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
暑気はなはだし。再び鎌倉に遊ばんかなどとも思ふ。薄暮はくぼより悪寒をかん。検温器を用ふれば八度六分の熱あり。下島しもじま先生の来診らいしんを乞ふ。流行性感冒のよし。母、伯母をば、妻、児等こら、皆多少風邪ふうじやの気味あり。