来寇らいこう)” の例文
朝鮮の王朝では驚いて為す所を知らず、兎も角と云うので、明の政府へ日本来寇らいこうの報知を為したのである。秀吉朝鮮よりの返答を待つが来ない。
碧蹄館の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
九州水城みずきの城において、唐軍の来寇らいこうにたいし、堤を築き水をみなぎらせ、これを切って氾濫はんらんせしめ、一挙に唐軍を押し流そうと作戦したとか——何かの記に見たことがありました
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
弘安四年に元軍が来寇らいこうしたとき時宗は祖元をたずねて『大事到来せり如何いかがすべき』と問うた、すると祖元が『煩悩ぼんのうすべからず』と答えた、時宗が言下に大喝した、祖元はにっこと笑って
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
今回にこりて、彼らはもっともっと強力な準備をし、これだけのものを持っていけば、必ず地球人類を制圧できるという、自信のついたところで来寇らいこうするでしょう。油断はならないのです。
宇宙戦隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
蒙古来寇らいこうのときに伊勢の神風あり。アメリカ船初めて来たりしとき、彗星出でたり。また西洋にありても、カエサル大帝、コンスタンティヌス大帝、またチャールズ五世の死去のときに彗星あり。
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)