本道ほんどう)” の例文
本道ほんどうへでると、六天山塞ろくてんさんさいの悪者どもに見つかるおそれがあるので、道もないところを踏み分け、わざわざ遠まわりをして逃げた。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
特に本道ほんどう(内科)の部門には、彼なりにくふうした診断法や治療法があり、それによって医界に名を挙げることができる、と信じていたからである。
しかしそれは本道ほんどうの美ではないのです。精細とか華麗とかの美はあるでしょう。しかしそれは美の極致ではないのです。民藝こそは美の公道なのです。
民芸とは何か (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「棟梁佐太郎が死んだ時、お前は本道ほんどうの全竜先生を追っかけて、その口をふさいだ筈だ。それを聴こうか」
三左衛門はどこか眺望のい処はないかと思って、本道ほんどうから折れて小さな峰の方へこみちを登って往った。
竈の中の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
きッとあらたまった宮内くないは、まず少年の心理をつかんでおいてから、その本道ほんどうこうとする。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これから本道ほんどうだ。
村の成功者 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
町内の本道ほんどう(内科医)、全龍ぜんりゅうさんを呼んで、お手当てをしてもらい、昼頃までには、どうやらこうやら皆んな人心地がつきましたが、昼過ぎになって、つわりでやすんでいた家内がブリ返し
このように考えてくると、銃丸たまは車内でぶっぱなされたと考えるのが、本道ほんどうである。だが車内でズドンという音を聞いたものがないではないか。それなら消音しょうおんピストルを用いたものと考えてはどうか。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
亥刻よつ(十時)ごろお帰りになり、旦那はそれからまたお酒を続けていらっしゃいましたが、半刻はんときも経つとひどく苦しみ出して、町内の本道ほんどう(内科医)をお迎えした時は、もう間に合いません