本木もとき)” の例文
本木もときを買うか末木すえきを買うかという口論から、本木説を固守した彌五右衛門は相役横田から仕かけられてその男を只一打に討ち果した。
かくてそれがしは即時に伽羅きゃら本木もときを買取り、杵築きつきへ持帰り候。伊達家の役人は是非ぜひなく末木うらきを買取り、仙台へ持帰り候。
ああして追出おんでてしまやがって、その後は、さっぱり消息たよりを聞かねえ、聞きてえとも思わねえし、聞きたくもねえのだが、ロクなことはあるめえよ、本木もときにまさる末木うらきなしでなあ、人間
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
賤「夜中だって用があって迎いに来たのだからお帰りよ、旨く云って居ても本木もときまさ梢木うらきは無いという事だからねえ、お内儀かみさんに迎いに来られゝば心持がいねえ、旨く云ったってにこ/\顔付に見えるよ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかるところその伽羅に本木もとき末木うらきとの二つありて、はるばる仙台より差下さしくだされ候伊達権中納言だてごんちゅうなごん殿の役人ぜひとも本木の方を取らんとし、某も同じ本木に望を掛け互にせり合い
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
しかるところその伽羅に本木もとき末木うらきとの二つありて、はるばる仙台より差下さしくだされ候伊達権中納言だてごんちゅうなごん殿の役人ぜひとも本木の方を取らんとし、某も同じ本木に望を掛け、互にせり合い