本元ほんもと)” の例文
いわゆる田舎わたらいはその区域から外に出て行く者のことで、是には必ずしも本元ほんもとのような、厳しい監督が及んではいなかった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
今日まで他の国の勝れた善を日本に植えて、その結果がいつもその本元ほんもとよりも日本の方が良くなっておる。儒教の如きも、かえって支那ではその教義と常に衝突しておる。
女子教育の目的 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
「なるほど。殿様もたしかにおっしゃる。これはいかん。本元ほんもとをわすれていた。ハッハハハハ」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
もとは村かぎりの小さい氏神うじがみやしろにおいて生まれ、のちにおいおいと国の大神おおかみの、たがいに知らぬ信徒のあいだにもひろがったものと思うのだが、それにしては、その本元ほんもとの村や大字おおあざにおいて
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)