末席まっせき)” の例文
何時の間に来たのか、それとも、初めから評議に加わっていたのか、その末席まっせきに、両手をついて、ジッと平伏したきりの一人の人物がある。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
あるところに宴会えんかいが開かれ、当時議会でぶりのよい有名なぼう政治家が招待せられ、わが輩もその末席まっせきについたことがある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そこへ、おそく酒宴しゅえんにまねかれた、菊池半助きくちはんすけ末席まっせきにすわった。隠密おんみつのものは、ろくは高いが士格しかくとしては下輩げはいなので、めったに、こういう席にしょうじられることはない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)