曲水きょくすい)” の例文
一双いっそう屏風びょうぶの絵は、むら消えの雪の小松に丹頂たんちょうの鶴、雛鶴ひなづる。一つは曲水きょくすい群青ぐんじょうに桃のさかずき絵雪洞えぼんぼり、桃のようなともす。……ちょっと風情ふぜい舞扇まいおおぎ
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
入込いりごみ諏訪すわ涌湯いでゆの夕ま暮 曲水きょくすい
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
紫玉は耳をすました。道の露芝つゆしば曲水きょくすいみぎわにして、さら/\と音するながれの底に、聞きも知らぬ三味線しゃみせんの、沈んだ、陰気な調子に合せて、かすかうたふ声がする。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)