暗記そらん)” の例文
京橋日本橋から芝の一区域へかけては眼をつぶっても歩かれるほど町々を暗記そらんじていた彼にも、もう神田へ入るとたまにしか歩いて見ない東京があった。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼女はこれまで、旅行好なしゅうとや夫にいて、大抵ひとの遊びに行くような場所へは行っていた。内地にある温泉地、海水浴場のさまなぞも、多く暗記そらんじていた。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
翌日あくるひに成ってみると、お雪や勉が交換とりかわした言葉で眼に触れただけのものは暗記そらんじて了った程、彼の心はいたやすく成っていた。家を出て、夕方にボンヤリ帰って来た。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)