日暮にちぼ)” の例文
獲物の野猪ししは、日暮にちぼくろずんだ肢体をなほ逞ましく横たへてゐた。その下で、流れ出る血が泥に吸はれてゐた。ふと、私は促されるやうに背後を顧みた。そして私は総てを了解した!
測量船 (新字旧仮名) / 三好達治(著)
大声に孫娘の名を呼びつつ、避難民のあひだを探しまはる。日暮にちぼ。遂に松のかげに横はる。隣りは店員数人をつれたる株屋。空は火事の煙の為、どちらを見てもまつなり。鸚鵡、突然「ナアル」といふ。
あかあかと日暮にちぼまち吐血とけつして
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
日暮にちぼ、帰りて剣血けんけつる」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
日暮にちぼにおそく
故郷の花 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)