新庄しんじょう)” の例文
この外に鉱山の関係では、出羽の新庄しんじょう侯のために銅の検査を行い、また秋田の佐竹侯のために院内の銀山を視まわったこともあるとのことです。
平賀源内 (新字新仮名) / 石原純(著)
「いま唄ったのは新庄しんじょうあたりの武家屋敷で手毬唄てまりうたによく聞いたものだが、この辺では馬子唄に唄うのか」
峠の手毬唄 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
がま稈心みごしな葡萄蔓ぶどうづる、麻糸、木綿糸、馬の毛など様々なものが使われます。新庄しんじょうの市日などにざいからこれを着て出てくる風俗は、都の者には眼を見張らせます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
その前年、新庄しんじょう村の小学校地へ桃と桑一千株紀念のため栽えたりしも、一月内にことごとく抜き去らる。故に欧米にも、林地には必ず小さき礼拝堂や十字架を立てるなり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
我国においてもようやく四、五年前から農林省に、「積雪地方農村経済調査所」という機関が山形県新庄しんじょうに設けられ、其処そこの委嘱で優秀な学徒が集って真摯な研究が始められた。
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
(今は山形県新庄しんじょうの雪害調査所の陳列室に在る)。一つはこれも長さ六尺に及ぶクシである。水溜みずためが二つってあって珍らしい。二肢ふたあしの自然木が左右の足となって支える。
全羅紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
私は新庄しんじょうにある農林省の積雪地方農村経済調査所の仕事に少しばかり関係が出来て、其処そこで雪害の実状を見聞しているうちに、雪と人生との間の深い交渉に驚かされたのである。
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
羽前の北端は最上もがみ郡である。郡の町は新庄しんじょうである。ここは更に北の横手を指す線と、左へ折れ余目あまるめに達する線との分れ目である。冬は雪に深い。この新庄の町はずれの東山に窯が二つある。
現在の日本民窯 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)