新坂しんざか)” の例文
こんなことを話し出しているうちに、金谷かなやから新坂しんざかへ二里、新坂から掛川かけがわへ一里二十九町、掛川から袋井ふくろいへ二里十六町。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
……新坂しんざかとか、見附みつけさかとか、勝手かつてとなへてはせるが、おほきなあたらしいさかである。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
切支丹坂より茗荷谷みょうがだにのあたりには知れる人の家多かりき。今はありやなしや。電車通を伝通院の方に向ひて歩みを運べば、ほどなく新坂しんざか降口おりくちあり。新樹のこずえに遠く赤城の森を望む。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
こう思って各々めいめいは同じく山下へ入り込んで行きましたが、究竟くっきょうと思う木蔭こかげ山蔭やまかげをも無事に通り抜けさして、ついに鶯谷うぐいすだに新坂しんざかの下まで乗物を送って来てしまいました。