数町すうちょう)” の例文
旧字:數町
二人は鳶口をりながら追っかけた。そして、数町すうちょう往ったところで、その火の玉はあるろじへ折れて、その突きあたりの家の櫺子れんじ窓からふわふわと入ってしまった。
遁げて往く人魂 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
先生が寓居は矢来町の何番地なりしや今記憶せざれど神楽坂かぐらざかを上りて寺町通てらまちどおりをまつすぐに行く事数町すうちょうにして左へ曲りたる細き横町よこちょうの右側、格子戸造こうしどづくり平家ひらやにてたしか門構もんがまえはなかりしと覚えたり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)