数度すど)” の例文
旧字:數度
お島が数度すどの交渉の後、到頭また養家へ帰ることになって、青柳につれられて家を出たのは、或日の晩方であった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼はその薄青いペンキの光る内側で、額に仕立てたミュンヘン麦酒ビールの広告写真を仰ぎながら、肉刀ナイフ肉叉フォークすさまじく闘かわした数度すどの記憶さえっていた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼は矢来の坂をりながら変な男があったものだという観念を数度すどくり返した。田口がただでさえにくいと云ったのは、こんなところを指すのではなかろうかとも考えた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)