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擺脱
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はいだつ
ふりがな文庫
“
擺脱
(
はいだつ
)” の例文
而も耶蘇教徒のリバイバルの如くに『氣の伸び』を欲して、直に一切の利害を
擺脱
(
はいだつ
)
して、正しきに合せんとすることも起る。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
至善至悪に対する妙念は残らず
擺脱
(
はいだつ
)
し去りて
只
(
た
)
だ慾火炎上の曲りくねりたる一時のすゞしさを此上なき者と珍重す。
「伽羅枕」及び「新葉末集」
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
惰力の為めに面白くもない
懶惰
(
らんだ
)
な生活を、毎日々々繰り返して居るのが、堪えられなくなって、全然
旧套
(
きゅうとう
)
を
擺脱
(
はいだつ
)
した、物好きな、アーティフィシャルな
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
一時一処の国民性を
擺脱
(
はいだつ
)
せよと要求するの(其の要求の当否は別論として)之れを描けと要求するの殆ど無意味なる
勝
(
まさ
)
りて新意味あるを認めずばあらざる
也
(
なり
)
。
国民性と文学
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
胸中
一戀字
(
いちこひじ
)
を
擺脱
(
はいだつ
)
すれば、
便
(
すなは
)
ち十分爽淨、十分自在。人生最も苦しき處、只〻是れ此の心。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
独
(
ひと
)
り生存の欲を一刻たりとも
擺脱
(
はいだつ
)
したるときにこの
迷
(
まよい
)
は破る事が出来る。高柳君はこの欲を
刹那
(
せつな
)
も除去し得ざる男である。したがって主客を方寸に一致せしむる事のできがたき男である。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一言すれば二葉亭は能く外国思想に熟していたが、同時にやはり幼時から染込んだ東洋思想を全く
擺脱
(
はいだつ
)
する事が出来ないで、この
相背馳
(
あいはいち
)
した二つの思想の
蹚着
(
とうちゃく
)
が常に頭脳に絶えなかったであろう。
二葉亭四迷:――遺稿を整理して――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
といふに至りては、伏姫の心中既に大方の悲苦を
擺脱
(
はいだつ
)
して、澄清洗ふが如くになりたらむ。八房も亦た時に至りては、読経の声に耳を傾け、心を
澄
(
すま
)
し欲を離れて、
只管
(
ひたすら
)
姫上
(
ひめうへ
)
を
眷慕
(
けんぼ
)
するの情を断ちぬ。
処女の純潔を論ず:(富山洞伏姫の一例の観察)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
“擺脱”の意味
《名詞》
擺 脱(はいだつ)
取り去ること。
(出典:Wiktionary)
擺
漢検1級
部首:⼿
18画
脱
常用漢字
中学
部首:⾁
11画
“擺”で始まる語句
擺動
擺去
擺落