“摸倣”の読み方と例文
読み方割合
もほう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
少し気がとがめるが、絵が巧く出来たのだから、まあ我慢することにしよう。こういう時に、創意は摸倣もほうの集積なりという言葉は、ちょっと便利である。
南画を描く話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
個性の内の拍子に乗ってあらわれる生命も、此を見出してくれる人がない間は、一種の技工として、意識せられ、当人のしばしば同一手法に安住することは勿論、追随者によって摸倣もほうせられるのである。
歌の円寂する時 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
これを摸倣もほうとも運搬とも解してしまう者があろうが、ともかくも一方には文字の資料があって、他の一方で既に常民の意識の底に沈潜したものを、ここではしっかりと現世の生活につなぎ付けている。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)