摂氏せっし)” の例文
旧字:攝氏
「私は持って居りませんが、この壁にかかっています。これは自記寒暖計じきかんだんけいですよ。ほう、只今摂氏せっしの二十七度です。暑いのも道理ですなあ」
中央気象台の報告によると、ある日の最高温度は華氏かし百二十度であった。摂氏せっしでなくて幸福である。
死の接吻 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
水は普通には摂氏せっしの百度にならなければ沸騰しないのですが、それは水の表面を押している気圧が一気圧、すなわち水銀の高さで七六〇ミリメートルになっているからです。
ロバート・ボイル (新字新仮名) / 石原純(著)
源流がくだって、せせらぎとなり滝に移るところには岩魚いわなが棲む。岩魚も冷たい水を好むからだ。それから下流には、山女魚が泳いでいる。岩魚も、山女魚も摂氏せっし十八度より高い水温を嫌う。
雪代山女魚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
顔と手足とのきずはさほどの事もなかったが、長い間着のみ着のままぐっすり雨にれていたので、夜明から体温は次第に昇って摂氏せっし四十度を越え、夕方になっても一向下りそうもない容態に
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「あのウ、恒温室の温度保持のことでございますが、唯今摂氏せっし五十五度になって居りますが、先生がスイッチをお入れになったのでございましょうか」
(新字新仮名) / 海野十三(著)
摂氏せっし十五度のものを摂氏十四度に下げ、他の摂氏十五度のものを摂氏十六度にあげるのです。こうして、一方をどんどん下げていって、他方の温度をあげていく。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
また温度はいつも摂氏せっし二十度になっていますから、暑からず寒からずです。年がら年中そうなんですから、服も地下生活をしているかぎり、年がら年中同じ服でいいわけです
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
また温度はいつも摂氏せっし二十度になっていますから、暑からず寒からずです。年がら年中そうなんですから、服も地下生活をしているかぎり、年がら年中同じ服でいいわけです
三十年後の東京 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この成層圏の性質は、もちろん、空気は稀薄きはくであり、水蒸気は殆どなく、温度も摂氏せっしの氷点下五十何度という寒冷さにおかれ高層にのぼるほど多少温度が上昇する傾向がある。
成層圏飛行と私のメモ (新字新仮名) / 海野十三(著)
それは第一空気もなく水もないし太陽が直射すると摂氏せっしの百二十度にものぼるのに、夜となれば反対に零下百二十度にもくだってしまうという温度の激変げきへんがあって、とても生物が住めない状態にあった。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そこで空気服の中は、いつも摂氏せっし十八度に温められてある。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)