探照灯たんしょうとう)” の例文
旧字:探照燈
しかも、その音が、またたくまにヘクザ館の上空へちかづいてきたかと思うと、やがて、さっと上から探照灯たんしょうとうの光が降ってきた。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
中村係長のきてんで、もよりの消防署に電話がかけられ、一台の消防自動車が、小型の探照灯たんしょうとうまで用意してやって来たのです。
青銅の魔人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
わたくしが進めば進んだだけわたくしの身に持つ探照灯たんしょうとうで照らし出すように、ほゞ一町四方の間の町も灯も人も、嵐の前の花野化されて行きます。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
和島丸は位置を知らせるためどの窓も明るく点灯せられ、ほばしらには小型ではあるが、探照灯たんしょうとうが点じられ、船前方の海面を明るくらしつけた。
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すると、広い広いやみの中を、探照灯たんしょうとうを小さくしたような光の線が、スーッと走って、ゴツゴツしたどす黒い岩はだを、つぎつぎと照らしていきます。
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それは一しゅんかん、探照灯たんしょうとうの反射鏡のように見えた。それからまた巨大なる眼のようにも見えたが、まさか……
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
警官たちが、手に手にふり照らす懐中電灯の光が、小さな探照灯たんしょうとうのように、まっくらな洋館のすみずみを、あかるくしました。しかし、人かげはもちろん、道具らしいものもない。
透明怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その恐ろしい仔蠅は、しずしずと私の方ににじりよってきた。眼玉が探照灯たんしょうとうのようにクルクルと廻転した。地鳴りのような怪音が、その翅のあたりから聞えてきた。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
そうすれば、探照灯たんしょうとうもあるし、長い自動ばしごもある。それがいちばんいいよ。
奇面城の秘密 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
地上から探照灯たんしょうとうを出したような恰好に空に向けて前進し、電気天井にあたってまた下へ下りて来ます。
科学が臍を曲げた話 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
そこで、中村警部は、近くの警察から、おおぜいの警官をよび集めて、探照灯たんしょうとうまで持ちだして、神社の森や、そのまわりを、長いあいださがさせました。しかし、なんのかいもなかったのです。
灰色の巨人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
とつぜん樽ロケットが強力な探照灯たんしょうとうをつけたらしい。前方がぱっと明るくなった。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
探照灯たんしょうとうのひかりです。
怪奇四十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ヘリコプターが照らす探照灯たんしょうとうの光のために塔のなかは、昼よりもまだ明るいのである。一同はいま、ヘリコプターから縄梯子なわばしごづたいにおりてきたのであろう。脚が少しフラついていた。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
第六号艇のまわりには、僚艇りょうていから放射する探照灯たんしょうとうが数十本、まぶしく集まっていた。その中には、空間漂流器を身体につけて、艇からばったのようにとびだす乗組員たちの姿もうつっていた。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
ヘリコプターが探照灯たんしょうとうを、地上へ向けて照らしつけたのだ。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「いま探照灯たんしょうとうをそっちへ廻しますから……」
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)