掛守かけまもり)” の例文
ここで持っていないと言うのは余り卑怯だと思って、栄之丞は掛守かけまもりから女の起請を取り出した。彼はせめてもの腹癒せに、次郎左衛門の眼の前でずたずたに引き裂いて見せた。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
血をべっとりと塗附けて之を懐中し、又々庭へ出て、お菊の懐中を探して見たが、別に掛守かけまもりもない、帯止おびどめほどいて見ますと中にまもりが入っておりますから、其の中へ右の起請をれ、元のように致して置き
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼女は全く栄之丞を見捨てた証拠だといって、掛守かけまもりの中から男の起請きしょうを出して見せた。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
山「いよ、まだ掛守かけまもりの中に金が有るから遣って呉れ」
山「掛守かけまもりの中に十両ぐらいあるよ」