掃滅そうめつ)” の例文
「この九月にはいって、織田の衆は、またも大挙して西へうごき、叡山を掃滅そうめつするとて、去年にもました大軍を催しておるそうな」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜ一日も早く、平家を掃滅そうめつし給わぬか。平家をうち亡ぼして、父義朝をはじめ亡き源家の人々のうらみをそそいで下さらぬか。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はやく、いまのうちに味方の兵をだして、それらの者を、掃滅そうめつしなければ一大事で。——という意味のものであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼の精兵は、たちまち、地方の鼠賊そぞく掃滅そうめつしてしまった。朝廷は、彼の功をよみし、新たに、「鎮東将軍ちんとうしょうぐん」に叙した。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平和はまだ洛中洛外だけのこと、各地の逆徒は、一時、影をひそめておるが、掃滅そうめつされ尽したのではありません。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高山父子がそれをこばみ、飽くまで信長にたてつくときは、伴天連ばてれん一門の徒、すべて彼らと同意と見なし、南蛮寺の破却はきゃくはもちろん、宗門掃滅そうめつ、信徒宣教師のやから
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして戦後あんなにも沢山な源氏方が、毎日のように、目のさきの河原で斬られたり、各地で掃滅そうめつされているのを見ながら、のめのめと、自分のみ助かって来たか。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平家方の打首や擒人とりこの処分、その他の軍務を果たすためで、心は、一日もはやく再び西下して、今のうちに、平家の全勢力を掃滅そうめつしておかなければ後日の大患と考えていたのである。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
荒木一類の掃滅そうめつも完了した。ときに、長攻久しき中国の三木城は如何に。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わがなきのちも、朝敵掃滅そうめつのはかりをおこたるな」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)