抗議こうぎ)” の例文
どうださっきの演説はうまかったろう。と大分得意である。大賛成だが一ヶ所気に入らないと抗議こうぎを申し込んだら、どこが不賛成だと聞いた。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし、かれが恭一に返事を出したその日に、大河がたまたま浴室で持ち出した恋愛論れんあいろんは、期せずしてかれに対する大きな人間的抗議こうぎとなっていた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
しかも男たちの方では、それに抗議こうぎを申し立てるどころか、喜んで彼女の言いなりになっていたのだ。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
モニカは誇りの高い気質らしく、サンパンで送られてくる途中で、われわれ姉弟も癩者の血統けっとうだが、どうして二人だけを特別に扱うのかと、お舟手役人に抗議こうぎしたということだった。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
マスノの抗議こうぎにまた笑声があがった。しかし、先生はなみだぐんでそれを見ていた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
なんでその女をわたせなどと見当けんとうちがいなご抗議こうぎを持ちこまれるのか。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とグロースが、抗議こうぎを申しこんだ。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
それはしかし、朝倉夫人に対する抗議こうぎではむろんなかった。また、かれの深い苦悶くもんの表白であるとも言えなかった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
とバクスターが抗議こうぎした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
抗議こうぎをもちこんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれはいくらか抗議こうぎするような口調で言った。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)