打留うちと)” の例文
一席申し上げます、是は寛政十一年に、深川元町ふかがわもとまち猿子橋さるこばしぎわで、巡礼があたを討ちましたお話で、年十八になります繊弱かよわい巡礼の娘が、立派な侍を打留うちとめまする。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
土佐では槙山まきのやま郷の字筒越つつごしで、与茂次郎という猟師夜明よあけに一頭の大鹿の通るのを打留うちとめたが、たちまちそのあとから背丈せたけじょうにも余るかと思う老女の、髪赤く両眼鏡のごとくなる者が
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
麹屋へ参って恥かしい身の上になりましたが、幸いに富五郎が来て、これ/\の訳と残らず自分の口から申して、一角の隠家かくれがもこれ/\と知れましたから、女ながらも富五郎は首尾能く打留うちとめたから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)