打棄うちすて)” の例文
つてう言い出したことのない弥吉を、児太郎は自身にひきあてて、悲しげに打棄うちすてるような調子でしりぞけた。
お小姓児太郎 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
河中へ投込候ものと相見え今以て行方相知れ不申候もうさずそろ又土蔵へ忍入りしやわたくし所持の衣類金銀ともことごとく盗取り逃去り候跡へ我等参合まいりあわせきよと申す下婢かひに相尋ね候処驚怖の余りおのれの部屋に匿れ潜みおり候えば賊の申候言葉ならびいずれへ逃去候しか不相分あいわからず申出候もうしいでそろしかるに一応家内取調申候処庭前ていぜん所々しょ/\に鮮血の点滴有之これあり殊に駒の緋絹縮ひぎぬちゞみ下〆帯したじめおびりゅうの単物ひとえもの血に染み居候まゝ打棄うちすて有之候間此段御訴申上候
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)