才槌頭さいづちあたま)” の例文
故松助演じるところの『梅雨小袖つゆこそで』の白木屋お駒の髪結かみゆい新三しんざをとっちめる大屋さん、かつおは片身もらってゆくよのタイプで、もちっとゴツクした、ガッチリした才槌頭さいづちあたまである。
此処で又紛々ごたごたと入乱れ重なり合って、腋の下から才槌頭さいづちあたま偶然ひょっと出たり、外歯そっぱへ肱が打着ぶつかったり、靴のかかと生憎あいにく霜焼しもやけの足を踏んだりして、上を下へと捏返こねかえした揚句に、ワッと門外もんそとへ押出して
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
長「お前さんのお蔭で大黒柱へ才槌頭さいづちあたま打附ぶッつけやした」
神田猿楽町さるがくちょうに住んでいた。黄八丈の着物に白ちりめんの帯をしめて、女の穿吾妻下駄あずまげたに似た畳附きの下駄へ、白なめしの太い鼻緒のすがったのを穿いていた。四角い顔の才槌頭さいづちあたまだった。