才幹さいかん)” の例文
その官兵衛を総領に、弟小一郎、ほか二人の妹があったが、何といっても、官兵衛の才幹さいかんは十五、六歳からもう光っていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
現代いまで言う秘書課のようなところだから、わりに若手わかてが多かったもので、ここで柳営りゅうえいの事務を見習い、才幹さいかんがあると認められれば、それぞれ上の役柄やくがらへ振り当てられて
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「ぢあ、才幹さいかんのある人なの?」
と、彼の女通おんながよいが、童謡にまで歌われているのを知っても、いぜん尊氏が、将軍家執事の権を、彼にまかせていたのでもそれは知れる。彼にかわるほどな才幹さいかんは、他になかったものであろう。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)